ラーメンねぎっこ 下川俣店 訪問日2015年11月25日
今宵はカミさんが実家に帰り、久しぶりの自由を満喫します。
こんな日に家に居たら勿体ないと思い、外に出るも生憎の雨。とりあえず晩飯だけでも何とかせにゃいかんと思い、愛車に乗り込み夜の街へ走り出します。
夜の環状線をゆっくりと流していると、目に飛び込んできたのは飲食店らしき建物。
『今夜はココに決めるか…』
降りしきる雨の中、走って店の中に飛び込みます。
服に付いた水滴を払っていると、若い店員が声をかけてきた。
『いらっしゃいませ。お一人様でしょうか?』
『ウム』と、私は小さく頷いた。
店内にはいつもの嗅ぎ慣れたあの匂いが、息を吸い込む度、食欲をかき立てる。
『ラーメン屋か…。』偶然にも私の嗅覚は、知らず知らずのうちにラーメン屋を探し当ててるのかも知れない。
『今宵はどのような、麺とスープのハーモニーを奏でてくれるのだろう…』
そう思いながら、メニュー表を手に取った私は、表紙に書かれている文字を見て愕然とした。
『オレ、ねぎが苦手なんだよな…。』
看板をよく確認しないで入った、自分の行動に怒りを覚えながらも、気を取り直してページをめくった。
『けっこう普通じゃないか、しかもネギメニューと無しメニューの両方載っているぞ。』
『しかも、なかなか美味そうだぞ。』
『餃子もバラエティー豊かじゃないか、カミさんを連れてくれば良かったな。』
オーダーを通した後、店内を見渡してみる。
壁に貼られている写真も、無難なネギの量だ。
この店は自家製麺を使うのかぁ、しかも写真付きで…出来立ての麺がおいしそうだ。
待つこと10分、運ばれてきた丼の中身は黒一色。
『これが黒味噌ラーメンか…』
何度も言うが、今日はカミさんがいない。いつもなら奇抜なメニューは彼女を人柱にして紹介するのだが、今夜は私自身が人柱になるしかない。
まずはスープをひと口、口の中いっぱいに広がる、苦味がかった香ばしい香りと、とんこつ味噌の程良い甘さが重なりあって、見た目のモノトーンな色合いに反して、カラフルな味わいを醸し出している。
一心不乱に麺をすすり込む、芳醇な味わいに中太麺がよく絡み、まるでそれはベッドの上で、大人の女性を抱いたときのように、程良い甘さが舌に絡みついてくる。
『コレだよ、今夜の私が求めていたのは…』
今夜の私には、餃子とライスの名脇役はいらない。
『今夜は眠れそうにないな…』そうつぶやき完食した私は、雨の降りしきる夜の街へ、再び車を走り出させた。
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